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英語医療通訳の宿命?

先日、ある外国人無料健康相談会で通訳したときのこと。

 

医師が 「少し血圧高目で太りすぎ」と言ったのを、「少し(a little)血圧が高く少し(a little)太りすぎ」と訳したら、

 

医師 「ア・リトルじゃない」 

通訳 「・・・ハ?」 

医師 「“少し太りすぎ”じゃなくて、“太りすぎ”!」

 

つい、ちょっと付け足してしまっていた私・・・いけない、いけない!と反省しましたが、このように、英語通訳は常に医療者に訳をチェックされてます。

 

医師は少なくとも英語は聞いてわかるので、誤訳をチェックしていただけるのは通訳にとってとてもありがたいことですが、(この通訳者は信頼できるだろうか?)の目安を、(専門用語をきちんと訳せるか?)に置いておられる医師が多いかもしれません。医師は「英語の専門用語」のエキスパートですから。

 

しかし、専門用語を専門用語のまま訳して患者さんに伝わらなければ、意味がありません。

 

以前、「穿孔」という言葉をわかりやすいように「穴が開く」と訳したら、(あ~これだから素人はダメなんだ!)と言わんばかりに、「perforation」と言い直し、その専門用語を用いてダダダダダァ~~とご自分で流ちょうに英語で説明された医師がいました。通訳はもう出番ナシです。

 

患者さんは一般的に、医師と直接コミュニケーションが取れるのは大歓迎ですが、その場では「わかりました」と言いながら、診察室を出てから「さっきドクターは何て言ってたんだっけ・・・」と通訳者に質問してくることがあります。

 

やはり、患者さんが理解できるということが何よりも大事。しかし、医師の信頼を得ることも同じくらい大事。両方から信頼され、適切で十分な橋渡しができるよう、これからも精進していきたいと思います。(yo)